薬について
医薬品は医学の発展に合わせてドンドン進歩し、私たちを病気がもたらす様々な症状から助けてくれます。ただし、「副作用がない薬はない」といわれるように、劇的な効果がある薬ほど副作用も強いものになる傾向があるようです。病気になったら薬を使うことは必要ですが、使用期間も含めて安易に頼ることは、望まない副作用を生み出すことにつながる場合があります。下記のようなストレス系の薬だけでなく、頭痛薬、便秘薬など日常的に用いられる薬を安易に用いるのではなく、毎日の生活を規則正しく、食事や運動に気を配り医師の処方に基づいて安全に短期間、必要最低限の薬を飲むようにしましょう。
ストレスと薬
ストレスが過剰になると脳や交感神経の働きが過剰になって眠れなくなります。これを抑えるのがマイナートランキライザー(ベンゾジアゼピン系)という薬で、抗不安や睡眠薬として広く利用されています。この薬は短期間の摂取であればとても効果的で有用なのですが、長期間摂取すると依存症など様々な問題を発生させてしまいます。
薬の種類
1900年代から1950年代にかけて広く用いられたバルビツール系のマイナートランキライザーでは事故死や自殺が頻発しました。この薬は依存性が強く、アルコールと併用すると死亡することもありました。そこでメプロバメートに置き換えられていったのですが結果は同じでした。
1960年代になってベンゾジアゼピン系が使われるようになりました。副作用が少なく今も広く用いられています。(セルシン、コントール、ランドセン、ソラナックス、ハルシオンなどです。この薬もアルコールと同じように抑制系の伝達物質であるギャバの働きを強化して脳の過剰な興奮を抑えます。ただし不安は減少し眠れるのですが脳全体の働きが抑えられるので意識は低下してしまいます。アルコールも抗不安薬も大脳辺縁系の快感サーキットを刺激しするので、ドーパミンレベルが高くなり気持ちよくなります。
離脱作用
薬を使って脳の働きを抑制する事で脳の興奮を治め、不安や不眠を改善するという行為が継続されると脳は興奮しやすくなっていきます。薬を飲んでいる状態でも興奮できるように薬という外部からの抑制に対して慣れて、薬があっても興奮した状態を維持できるようになっていくからです。
何らかの事情でこの薬の摂取を中断すると脳は過剰に反応し暴走します。発熱、不眠といった離脱症状が現れます。もし、こうした薬を飲んでいるのであれば、服用をやめる時は慎重に薬の量を減らし、正しく減薬しなければばりません。強引にやめると深刻な脱症状が襲ってくるからです。おおむね4ヶ月を超える薬の服用は長期間だと考えてください。
- 耐性の発生 服用を続けると同じ効果を得るための摂取量が増加していきます。
- 物忘れ激しくなります。
- 眠気が強くなります。
- (その結果)事故に合いやすくなります。
- 睡眠障害(睡眠サイクルに異常がでます)
- 二日酔いがひどくなります。
- 依存症度が強くなり、やめるときに離脱症状が出ます。
- 『離脱症状』
不安、不眠症、イライラ、震え、疲労感、頭痛など
ストレスが深刻で生活や心身に問題が生じるようであれば、短期間(4ヶ月以内)の薬物による緩和は、心身や生活、家族を守る事につながるでしょう。(ただし、医師による正しい処方が必要です)長期間にわたる服用は心身の異常を引き起こし、やがては日常生活や人間関係にも問題を引き起こす可能性があります。安易に薬に頼るのではなく、医師と相談しながら、より安全に、より効果的に薬を使用しましょう。多くの薬は体を冷やす作用があるといわれています。体に冷えを感じる人は、現在服用している薬を見直してみると良いかもしれません。
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