呼吸の役割
蓄積された疲れを回復させるためには時間がかかるので、疲れが溜まってしまう前に、できるだけ素早くこまめに回復することが疲れを解消するためのコツだということは以前お伝えしました。
ですから、仕事中も1時間に1回ぐらいは休息をとると良いのですが、その時に是非取り入れていただきたいのが呼吸法です。
- 酸素を取り入れ二酸化炭素を吐き出すこと
- 自律神経のバランスを整えること
- 肺や内臓のマッサージ効果
があります。
普段から呼吸法を繰り返しすることで、呼吸に関わる筋肉(呼吸筋)の働きがよくなります。
そうなると1回ごとの呼吸で体に取り込める空気の量が増加します。
肺活量は男性で3000ml~4000ml、女性で2000ml〜3000mlと言われています。
しかし、毎回思いっきり呼吸をしているわけではないので安静時の普通の呼吸量(一回換気量)は500ml程度です。
1分間の呼吸数は個人差がありますが20回前後ですから、一日の呼吸量を計算すると
500ml(1回換気量)× 20 × 60(分)×24(時間)=14400000ml(14400ℓ)
ということになります。
交感神経が過剰な状態が続くと呼吸が浅くなりますから、1回換気量が100ml減少して400mlになったとしたら、
400ml(1回換気量)× 20 × 60(分)×24(時間)=11520000ml(11520ℓ)
1440 - 11520 = 2880ℓ
通常の空気は約21%が酸素なので、
2880 × 0.21 = 604.8ℓ
1日で604.8ℓも酸素摂取量が減少することになってしまいます。
こんな毎日が続けば体は酸素不足が慢性化して疲れがどんどん溜まっていってしまいます。
自律神経のバランス調整とマッサージ効果
また、呼吸は自分でコントロールできない自律神経と、自分の意思で動かせる運動神経の両方から支配を受けている唯一の臓器なので呼吸に意識的に介入することで自律神経を調整してバランスをとることができるということも知っておいてください。
仕事に集中していると交感神経過剰の状態がつづいていますので、交感神経の働きを抑制し、副交感神経を活性化して疲れを予防しましょう。
そのためには呼吸法を行うことで交感神経の働きを落ち着かせ、疲れを予防することにつながります。
息を吸う時に交感神経(体を活性化)、息を吸う時に副交感神経(体を沈静化)が活発になりますので、吸う息よりも吐く息を長くすることで交感神経過剰型の疲れを予防することができるのです。2秒吸って4秒吐くという程度から始めて、2秒吸って32秒程度を楽に吐けるようになるまで練習していきましょう。
また、副交感神経を優位にしたい時は腹式呼吸がオススメです。
腹式呼吸をすることで内臓の血流が良くなって副交感神経が優位になりやすいからです。
最初はお腹に手をおいて動きを確認しながら行うと良いでしょう。
背筋を伸ばして、おへその下あたりを意識しながらお腹を引き込みながら息を吐いていきます。
今度は意識的にお腹を膨らませながら息を吸っていきます。
寝る前に行うと寝つきも良くなると思います。
反対に、吸う息を長くして吐く息を短くすることで交感神経を刺激して、集中力ややる気をアップさせることができます。
この時は胸式呼吸が良いでしょう。
最初は胸に手をおいて胸の動きを確認しながら行うと良いでしょう。
朝なかなか目が覚めずボーっとしている時はこの呼吸法をするとシャキッとします。
[cft format=1]
コメント