過剰な不安とは?
「①耐え難いほど苦しい」「②生活に問題が生じる」「③長期間続く」「④原因がわからない」などの要素を兼ね備えた「過剰な不安」と呼べる不安があります。
「過剰な不安」を長期間感じ続けると、動悸、発汗、震えなど身体的症状も起こり始め、普通の生活ができなくなってしまいます。
過剰な不安の原因
- 低血糖・栄養素の不足
- 乳酸レベルの上昇
- 興奮性伝達物質の過剰
今回は過剰な不安の原因2の「興奮性伝達物質の過剰」について考えてみましょう。
興奮性伝達物質の過剰
脳内物質には脳を興奮させるアクセルになっている興奮性脳内物質(ノルアドレナリンやドーパミンなど)と、脳の興奮を抑えるブレーキとして働いている抑制性脳内物質(ギャバ、グリシン、タウリンなど)があり、この2種類の脳内物質がバランスをとりながら脳の興奮状態を調整しています。
興奮性伝達物質が増え過ぎるとアドレナリンが大量に放出されるので、心拍数が上昇し、脳が覚醒して感覚が鋭敏になります。
興奮性伝達物質の過剰によって起こる過剰な不安は、ギャバやグリシンなどの抑制性アミノ酸をうまく使うことで鎮めることができます。
神経伝達物質
- 興奮性伝達物質
アセチルコリン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルタミン酸 - 抑制性伝達物質
GABA(ガンマアミノ酪酸)、グリシン
対処法
興奮物質が過剰になる原因は、生活環境やストレスや食事習慣などが関係しています。
- 生活習慣の改善
夜はゆっくりぬるめのお風呂にゆっくり入る( 体温+5度以内の湯船に20分以上)
夜は間接照明、暗めの照明に切り替える 寝るときは照明を消しましょう
睡眠の2時間前からはテレビやパソコン、スマートフォンを見ない
ストレッチや軽度な運動の習慣つける
上手にストレス解消する - 食生活の改善
コーヒー、白砂糖などの興奮剤の摂り過ぎない
とうがらしなどの刺激物の摂り過ぎない
それでも興奮物質の過剰によって発生する不安を抑えられない場合は、抑制性アミノ酸をうまく使うことで鎮めることができます。
- 抑制性アミノ酸
トリプトファン セロトニンは脳の極度の興奮による感情の爆発を抑えながら心を平安にし、感情を安定させる「感情物質」です。
セロトニンの原料となるアミノ酸はトリプトファンだけです。 - ギャバ
脳の興奮を抑えるブレーキの中で、ギャバは最も頻繁に活躍する伝達物質です。
脳を鎮静させ、感情を安定させます。 - グリシン
グリシンは主に脳や脊髄で神経の興奮を沈めてストレスや緊張を緩和します。 - タウリン
タウリンは神経系で興奮性シグナルの強度を抑えます。
心筋の周辺に多く存在します。
脳内でも興奮を抑えるブレーキ役になっています。
不安はビタミン、アミノ酸、ピルビン酸の不足から発生することがあります。
この場合アミノ酸やビタミンB群をとることで、不安な心の状態から迅速に解放されます。
ピルビン酸は脳の興奮を鎮め感情を安定させます。
ビタミンB群とCは水溶性なので、過剰摂取による副作用を心配する必要はありません。
アミノ酸摂取も安全性が高い対処法です。
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