疲れに強い体を手に入れよう
疲れに強い体を手に入れるためのポイントは「①自律神経」「②エネルギー代謝」「③免疫」の3つです。
この3つの働きをよく理解して上手に働きかけることで、疲れをシッカリと回復させることができるようになります。
疲れをしっかり回復させることは、今の自分の心身の機能を最高レベルで引き出すことができるようになります。
心身の機能を最高レベルで引き出せるようになることで、人生はより豊かなものになるはずです。
免疫機能
ここではその中のひとつ免疫機能について考えてみましょう。
免疫機能とは自己防衛機能(ケガや病気にならない力)と自己再生機能(体を修復する力)の2つです。
1:自己防衛機能
自己防衛機能は外部から体に侵入してくる外敵や異物(細菌・ウィルス・体に不要な物質など)から体を守る働きです。
これには体内で死んだ細胞やガン細胞などを除去する機能も含みます。
この機能を担っているのが血液に含まれる白血球で、血液1mm3あたり4000個〜7000個含まれています。
白血球の種類
白血球には顆粒球、リンパ球、マクロファージの3種類が存在します。
- 顆粒球
大きなサイズの外敵から体を守ります。
真菌・細菌・体内で死んだ細胞の処理をします。
白血球の約60%弱程度を占めています。
顆粒球は体の細胞の中で最も寿命が短く、約2日から3日だといわれています。 - リンパ球
体内に侵入してきた異物やウィルスなど細菌よりも小さなものを処理します。
マクロファージと協力して老化・破壊・がん化・ウィルスに感染した細胞を除去します。白血球の約40%弱程度を占めています。 - マクロファージ
顆粒球より大きなサイズの外敵の処理や老廃物の除去をするとともに、リンパ球や顆粒球に外敵を処理する命令を出しています。
白血球の5%程度を占めています。
白血球と自律神経
白血球は自律神経によってコントロールされています。
交感神経過剰が続くと顆粒球が増加し、副交感神経過剰が続くとリンパ球が増加します。
体力と白血球の数は正比例の関係にあるといわれています。
体力がある人は活動量が多く筋肉量も多いので、血流も良く体温が上昇しやすく白血球の数が増加しやすいのです。(体温が上昇すると白血球の数も増加する)
この時増加するのはおもに顆粒球です。
反対に活動量が減少すると筋肉量も減少して体温が低下します。
体温が低下すると顆粒球の数が減少してしまいます。
活動量の増減に合わせて平均体温が変化して顆粒球が増減するため白血球全体の数が変化するのです。
平均体温が0.5度上がることにより免疫力が35%上がるといわれています。
ただし顆粒球とリンパ球のバランスが崩れてしまうと免疫機能は低下してしまいます。
体力に関わらず交感神経過剰、副交感神経過剰の状態が続いてしまうと顆粒球とリンパ球のバランスが崩れてしまうので注意が必要です。
顆粒球が増えすぎると必要な常在菌や正常な細胞まで攻撃し始めてしまいます。
反対にリンパ球が増え過ぎると通常なら外敵とみなさないようなもの(ホコリ、花粉など)まで外敵として反応するようになるので、アレルギー反応が出やすくなります。
白血球の中でリンパ球が38%を占めている時が最も免疫力が上昇するといわれていますが、脇の下で体温を測った実験によると体温が36.5度の時にリンパ球の割合が38%になったそうです。
交感神経が活発になると一時的に体温が上昇してやる気が湧くのですが、交感神経過剰の状態が長引くと血流血管が収縮して血流が悪化するので体温が下がってしまいます。
リンパ球の割合が30%を下回ってくると交感神経過剰型の疲労が加速します。
反対に副交感神経が優位になると血管が拡張して血流が良くなるので体温が上昇するのですが、やはり副交感神経過剰の状態が長引くと活動量が低下して体温が低下してしまいます。
体温が36度を下回り、リンパ球の割り合いが50%を超えてくると副交感神経過剰型の疲れが加速します。
体温と免疫力は強い相関関係にあるのです。深部体温が37.2度、腋下体温(脇の下の体温)が36.5度になるように普段の生活習慣を見直しましょう。
コメント