大脳辺縁系とノンバーバル
仕草を含めたノンバーバル(言葉以外のコミュニケーションの要素)を理解するために、大脳辺縁系とノンバーバルの関係を考えてみたいと思います。
大脳辺縁系にはこれまでの経験から蓄積された判断が保存されています。
嬉しい経験、嫌な経験・・全ての判断です。
人間は大脳辺緑系に蓄積された判断に基づいて現在の状況を解析し、生き残るための対処をするのです。
例えば、犬に噛まれて危険を体験すると、大脳辺縁系に犬は危険な生物だと登録されます。1度登録されると、次回からは犬を見た瞬間に危険に対処するための反応するようになります。
同じように、20年前に自分をイジメていたイジメっ子に街でバッタリと出会うと、その頃の不愉快な気持ちが再現されてしまいます。
誰かに傷つけられた事をなかなか忘れられないのは、その経験からの判断が大脳辺縁系に登録されているからです。
大脳辺縁系から指示がでた反応は、論理的な判断や合理性に基づいたものではなく、体に刻み込まれた反応です。
論理的な判断や合理性を考慮して判断し、反応するより、そうした過程を飛ばして反応する方が圧倒的に素早く反応できるたため、人間という種の生き残りをかけて洗練しつづけてきた防衛システムなのです。
ですから、大脳辺縁系に判断が登録されるとその判断に基づいた反応は論理的判断や合理性を無視して自動的に繰り返されるのです。
こうした反応は、心地よい出来事や嬉しい出来事に対しても同じです。
ですから大好きな人の顔をみると、瞬間的に喜びの感覚が湧き上がってきます。
幼馴染に出会ったり、思い出の曲を聴いたりする幸福な感覚が湧き上がってくるのも、それらの判断が大脳辺縁系に登録されているからなのです。
ですから、人は心地よいと感じると大脳辺縁系から直接指令を受けて快の反応をあらわしますし、不快だと感じると大脳辺縁系から不快をあらわす反応を表します。(ノンバーバル)
ノンバーバルには・・
- 癖によって身についたもの
- 大脳辺縁系からの反応よるもの
がありますので、「Aというノンバーバルをしたから快だ(不快だ)」と断定することはできませんが、特定の人の行動を観察していると、その人、普段ノンバーバルがわかってきます。
そして普段のノンバーバルが理解できると、純粋に大脳辺縁系からの反応によるノンバーバルを見極めることができるようになって、相手の感情、思考、やろうとしていることを推測し、判断するために利用できるようになっていきます。
これらができるようになると、他者への気配りができるようになり、人付き合いや仕事でどんな言動を取れば良いのかを上手に見極めることができるようになるでしょう。
[cft format=1]
コメント