心と身体は切り離せない
イライラした時に運動をするとことで気分がスッキリします。
多くの方が体験されたことがあるでしょう。
しかし、なぜ運動することで気分がすっきりするかを説明できる人はあまりいないようです。
- ストレスが解消される
- 筋肉の緊張がなくなる
という側面がありますが、かなり多くの部分は
- 脳内物質エンドルフィンが増える
- 脳の血流が良くなるから
など脳内で様々な変化が起こるからです。
つまり、運動をすることで筋肉や心肺機能を高めることは、脳の状態をベストに近づけて脳の発達を促進することにつながっていということです。
これは人間の能力、つまり思考力、理解力、想像力といった脳の機能は、運動と深く関わっているということでもあるのです。
現代では心と体を別のものの様に捉えることが多いのですが、本来、心と体はひとつのものなので、脳を最高の状態に保つためには、体を高いレベルで働かす必要があるのです。
強いストレスを受け続けると、脳に存在する何十臆というニューロンの結合が阻害され、脳の一部が萎縮してしまうことことでうつ病などを発症しますが、運動をすることで神経化学物質(神経伝達物質を含むニューロンの成長や機能調節などの役割りを担っている化学物質の総称)や成長因子が放出されるので、脳の基礎構造を物理的に強くし、そうした状態を予防、改善できます。
脳は筋肉と同じで使えば育ち使わなければ萎縮してしまいます。(ルーの法則)
脳のニューロン(神経細胞)は「樹状突起」や「軸索」を使って結びついています。
運動をすることで、樹状突起や軸索が成長して結びつきが強化されて脳の機能が強化されていきます。
また、筋肉を動かことで特定のタンパク質が作り出され、それが血流によって脳に運ばれて思考をする際に重要な役割りを果たすこともわかってきています。
これらのタンパク質には、インスリン様成長因子(IGF-1)、血管内皮成長因子(VEGF)などがあります。
思考力だけではありません。外部の刺激を感覚器官(目、耳、鼻、皮膚など)から取り込んで信号に変換し、脳に伝える際の効率は、ニューロンのつながりを強くする神経科学物質や成長因子のバランスが正しく保たれているかにかかっていますが、運動はこれらのバランスを正常に保つためにとても重要な役割を果たすのです。
運動をして脳の準備を整えてから新しいことを覚えようとすると、脳に入ってくる刺激がニューロンの結合を強めていくこともわかっています。
こうやってできた脳の新しい回路は、情報が何度も通ることでさらに強化されていくのです。
ニューロンの結合の強さは心の状態に強く影響を与えているのです。
例えば、不安に立ち向かう時には、癖になっている不安を引き起こす思考の回路に変わる新しい思考回路を作り上げていく必要があります。
心と体の相互作用を応用することで、新しいポジティブな思考に関わる回路を効率良く作り上げ、使わなくなった不安を引き起こす思考回路を消去していくことができるのです。
それは、これまで圧倒されていた問題を解決し、人生を自分の力で切り開いていくことにつながっていきます。
運動を上手に取り入れることで人生の質を向上させることができるのです。
勉強する前に30分の運動することで心の準備をすることで集中して勉強ができるようになるでしょう。
脳の血流状態が改善し、脳がベストな状態になることで、記憶力、理解力、思考力、洞察力、推理力などが向上して、勉強の効率は格段に向上するはずです。
自分の脳の仕組みを十分に知って、それをベストの状態で使うことができれば人生を大きく変えることができるのです。
さらに、それらは感情のコントロール能力の向上にもつながっていきます。
運動を通して脳の状態を整えることで様々な問題を改善・解決できるという事実を理解することで、人生をより豊かなものへ変えていくモチベーションを高めていきましょう。
ただし、強制された運動では自発的な運動ほど効果がないことが分かっていますので、まず運動したいと心から思えるようになることが大切だということを覚えておいてください。
脳と運動の関係を理解して、それをどんな形で生活の中に取り入れるかを考えて見ましょう。
まずは運動が認知能力と心の健康に強い影響を与えているという確証を持てるようになってください。
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