仮眠について考えよう
短時間の仮眠の効果について様々なことがわかってきました。
昼寝をすることで覚醒度が上昇して眠気が減少するので気分がよくなります。
仕事に対する意欲や記憶力、認知機能、運動能力も向上します。もちろん仕事中の居眠りも減ります。
ただし、仮眠を取る時は仮眠の継続時間を良く考える必要があります。
仮眠の継続時間の長さによって、仮眠の効果が変わってくるからです。
目覚めたときに残る眠気のことを「睡眠慣性」といいますが、これは睡眠の深さや長さに影響されます。
レム睡眠や浅いノンレム睡眠では睡眠慣性は軽いのですが、 深い睡眠(徐波睡眠)を取ると強い睡眠慣性が起こります。
仮眠時間が15分以内なら徐派睡眠はほとんどでませんが、それ以上眠ると徐派睡眠が現れ、睡眠慣性が起こってしまいます。ですから、仮眠の継続時間は目を閉じてから寝つくまでに5分として、20分以内にするようにしてください。
また、若い人と比べると高齢者は徐波睡眠がでるまでの時間が長くなるので、高齢者の場合は30分程度の仮眠を取るようにすると良いでしょう。
習慣的に30分以内の仮眠を取っている高齢者が認知症になる確率は、仮眠をとらない人の5分の1に減少します。
しかし、1時間以上昼寝している高齢者は、認知症になるリスクが2倍に上昇してしまいますので注意してください。
仮眠をとりすぎると・・
また、スペインでは13:00~16:00の間に昼休憩を撮る習慣がありますが、(シエスタ)この時間に昼寝をする習慣のある人は心筋梗塞になりやすいというデータがあるのです。
シエスタでの昼寝の長さと心筋梗塞の起こりやすさの関係が 2000年に報告されています。
シエスタでの昼寝の長さが20分以下の人は、昼寝をしない人と比べて心筋梗塞になる確率が23% 低下しますが、45分の人は13 倍、1時間半の人は1.7倍と心筋梗塞になる確率が上昇するのです。
「午前中の仮眠は前夜の睡眠不足を補い、午後の仮眠はその夜の睡眠を先どりする」といわれているので仮眠を取るのはできるだけ午前中に取るようにしましょう。
そして、若い人で20分、高齢者で30分以内の仮眠をとって、夜の睡眠の質を低下させたり、睡眠慣性による悪影響を起こさないように気をつけてください。
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