睡眠中の脳の役割分担
睡眠中の脳はすべてのが眠っているわけではありません。脳を鎮静化するためのノンレム睡眠中でも、脳の一部は脳の他の部分をを眠らせるために活発に働いています。この脳を眠らせる仕事をしている脳(睡眠中枢)は脳の古い部分で、視床下部、橋、延髄などです。眠らされているのは、新しい部分で大脳です。
大きく分けると脳は「眠らせる脳(睡眠中枢)」「眠る脳、目覚める脳(大脳)」「目覚めさせる脳(覚醒中枢)」に分かれていて、その間を神経や睡眠物質(アセチルコリン、ヒスタミン、セロトニン、ガラニン、ギャバなど)でつないでいます。
睡眠中枢と覚醒中枢は視床下部ににあるといわれています。覚醒時は視床下部の後方の覚醒中枢から大脳皮質に向けて電気信号が送られています。反対に眠るときは視床下部前方にある睡眠中枢が覚醒中枢の働きを抑制するので、覚醒中枢から大脳皮質への電気信号の量が減少します。レム睡眠中枢は古い脳の中でも特に古い中脳や橋、延髄にあります。
不眠は眠らせる脳がうまく働かなくなることで起こります。
ですから眠らせる脳が疲労や加齢によって機能低下すると睡眠がうまく取れなくなってしまいます。高齢の方が早起きなのはこうした仕組みと関係していると考えられています。
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