睡眠相後退症候群
- 明け方にならないと眠れない。
- 目覚まし時計をかけているのに朝は起きられない
- 起きるのは結局お昼過ぎになってしまう。
長期の休みの後生活リズムが狂って通常の生活に戻って仕事(学校)が始まっても、中々以前の生活パターンに戻れない・・・そんな人はひょっとしたら睡眠相後退症候群という病気かもしれません。
睡眠相後退症候群とは「睡眠時間帯が望ましい時間帯より遅い時間帯で固定されてしまった状態」の事をいいます。
寝付くのは遅いのですが、毎日ほぼ一定の時間に寝付いて、寝付くとグッスリ寝れます。一般的に睡眠時間は長めになることが多いようです。
睡眠相後退症候群になってしまうと、この状態が長期に(数か月~数年)渡って続くので、通常の社会生活を送ることが困難になってしまいます。
また、遅れてしまった睡眠時間帯を自分の努力で早めることはまずできないと言われています。
どれだけ本人が頑張っても、取引先とのアポ、面接、重要な会議、入学試験やデートなど重要な事だと十分に認識していても、朝起きることができないのです。
そのため、睡眠相後退症候群の人の中には朝の予定がある時は徹夜するしかないと考える人もいるほどです。
無理やり朝の早い時刻に起きたとしても、「頭痛」「頭が重い」「食欲がない」「疲れやすい」「ダルい」「集中できない」「眠い」など様々な症状が現れて仕事や勉強どころではなくなってしまいます。
ただし、こうした症状は昼過ぎにはなって夕方になると調子が出てくる事が多いため、周りから理解されず悩んだり、自分を責めてしまう事も少なくありません。
こうした事態が長引くと、自信をなくし、落ち込みやすくなり、物事に取り組む意欲も出なくなって、抑うつ状態になってしまう事もあります。
この睡眠障害は思春期から青年期に発症しやすいといわれていて
- 体内時計の調整力が低下する
- 体内時計に問題が生じる
ことで睡眠相後退症候群になると考えられています。
また、睡眠時間が長くなり、遅い時間に起きだすことになるため、体内時計をリセットするための朝の光を浴びれないことで体内時計がリセットされないという悪循環に陥って長期化する傾向があります。
- 昼夜逆転の生活をする
- 夜遅くまで起きている
- 病気や問題行動(夜更かし、引きこもり)、様々な事情など
社会との接点が減ったり、十分な太陽の光を浴びないことが続く - 長時間睡眠者(体質的に平均10時間以上の睡眠が必要な人)
朝に太陽の光を十分に浴びる事ができない事が多いため、体内時計のリセットがされない状態が続く
ことで睡眠相後退症候群になってしまいます。
睡眠相後退症候群の治療法
寝付く時刻と起床時刻を毎日3時間ずつ遅らせる「時間療法」が有効です。
目標の起床時刻になったら、しばらくその状態を維持して起床時間を習慣化しするようにします。
ただし、時間療法だけで効果を維持する事は難しいので専門の医療機関に入院して行った方が良いでしょう。
最近では時間療法と高照度光療法やメラトニンなどを組み合わせて治療することが一般的になっています。
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