ストレスに体が反応し続けると・・
ストレスを受けると脳や体はどんな反応をするのでしょうか?ストレッサー(ストレスの源)に対する反応を「警告反応期」「過適応期」「疲弊期」の3期に分けて考えてみましょう。
警告反応期
「警告反応期」はストレッサーに出くわした時、生き延びるために「戦うか、逃げるか、息をひそめて待つのか」という重要な選択をしなければならない場面です。この時、腎臓の上にある副腎という臓器からストレスに対抗するために必要なホルモンを分泌します。(副腎では約40種類のホルモンを作っています)副腎が分泌するホルモンでストレスに対抗するために重要なのがアドレナリンとコルチゾールです。
ストレスを受けると、交感神経が活発になり、脳内ではノルアドレナリン、副腎では、アドレナリンとコルチゾールを大量に分泌されます。アドレナリンの分泌量は時間とともに低下していきますがコルチゾールの分泌量は継続されます。アドレナリンは即座に体が反応できるように心臓の動きを速くし、血管を収縮して血圧を高めて全身に血液を一気に送り出します。また肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に分解して血糖値を急激に上昇させます。コルチゾールも血糖値の上昇を手伝います。
こうした作用によって、脳と筋肉に大量の酸素とブドウ糖が送り込まれます。脳は最高出力で働き筋肉で最大のパワーを出す準備がととのいます。アドレナリンが脳内をかけめぐるのでやる気と快感が引き出されます。ですからストレスを感じると人によってはハイテンションになります。
過適応期
「警告反応期」が過ぎてもストレスが継続すると「警告反応期」の体の反応を維持しなければなりません。副腎からのアドレナリン分泌が継続してコルチゾールの体内濃度は上昇し続けます。
こうした状態が続くことで徐々に疲労を感じ始め、不安になって気分が不安定になっていきます。
疲憊期
「過適応期」を過ぎてもストレスが継続すると疲弊期に突入します。長期間のストレスによって副腎が疲弊してしまった状態で、ストレスために欠かせないコルチゾールを分泌できなくなってしまいます。
ちょっとしたストレスにも耐えられなくなってしまいます。疫力も低下して病気にかかりやすくなってしまいます。コルチゾールの分泌量が減ると感染症、糖尿病、脳溢血、心臓病、癌になりやすくなるといわれています。
ビタミンCやB群やマグネシウムが大量に消費され不足します。これらはエネルギーをつくるために必要な微量栄養素です。ですからエネルギー不足に陥って元気がでなくなって、やる気がなくなったり全てが面倒くさくなってしまいます。
さらに慢性のアドレナリン不足になるので、その材料であるドーパミン(快感物質)も不足 して、さらに気分が低下、うつ状態になってしまいます。(ドーパミンの材料はチロシンやフェニルアラニンというアミノ酸です)
長期間体内に高いレベルで存在したコルチゾール末梢神経やニューロンを傷つけるという研究もあり、そうなるとうつ病などの精神疾患を患って社会生活を送ることが困難になってしまう場合もあります。疲弊期に入る前にストレスへの対抗策を見つけて心と体を守っていきましょう。
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