睡眠薬の種類
できるだけ薬を使わずに寝たいものですが、不眠が続く場合は医師に薬を処方してもらいましょう。
長期間眠れない日々が続くと、眠りに自信がなくなってしまうので、心理的な不眠要因が強くなってしまいます。
睡眠の質を高める習慣を試しても不眠が続くようなら、早めに医師に相談してみてください。
睡眠のための薬
病院で処方される睡眠薬は大きく分けて以下の5つに分類することができます。
「バルビツール酸系睡眠薬」(1950年)にはじまり、これまでは「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」(1960年)、「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」(1980年)などがよく使われてきました。これらはいずれもGABA受容体作動薬に分類されるお薬です。
その後、「メラトニン受容体作動薬」(2010年)という体内時計を介して眠りをもたらす薬が開発されました。
そしてさらに最近、オレキシンという覚醒にかかわる脳内物質の働きを抑えることによって睡眠に導く「オレキシン受容体拮抗薬」(2014年)も開発されて広がっています。
- バルビツール酸系
麻酔として使われることもあるほど、非常に強い催眠作用があります。重い副作用が起こる可能性もあるため、不眠症の改善に使われることはほとんどありません。 - ベンゾジアゼビン系
安全性があり、ある程度の効果もあるためバランスが良い系統です。
代表的な薬:ハルシオン、レンドルミン、リスミー、エバミール、デパス、サイレース、ロヒプノール、ネルボン、ドラール、ダルメート - 非ベンゾシアゼピン
2のベンゾジアゼビン系で起こる可能性のある副作用(筋弛緩作用)を減らした薬です。ベンゾジアゼピン系より安全性は高いとされています。
代表的な薬:マイスリー、アモバン、ルネスタ - メラトニン受容体作動薬
眠気と関係するメラトニンというホルモンを利用した薬です。自然な眠気を誘導するメカニズムなため、睡眠作用は比較的弱めですが、大きな副作用もなく安全性も高いです。
代表的な薬:ロゼレム - オレキシン受容体拮抗薬(睡眠薬ではなく睡眠改善薬)
脳の覚醒状態の保持に関係しているオレキシンというホルモンを阻害することにより、眠気を誘導する薬です。薬への耐性や依存性、日中の眠気の影響も少なく安全性も高いです。
代表的な薬:ベルソムラ
作用時間で分ける睡眠薬の種類
睡眠薬は作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けられます。
左側は一般名で、()内は商品名です。処方時には()内の商品名が使用されることが多いようです。
超短時間型(睡眠導入薬、半減期が2~4時間程度)
- ゾルピデム(マイスリー)
- トリアゾラム(ハルシオン)
- ゾピクロン(アモバン)
- エスゾピクロン(ルネスタ)
短時間型(半減期が6~12時間程度)
- ブロチゾラム(レンドルミン)
- ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)
- リルマザホン(リスミー)
中時間型(半減期が12~24時間程度)
- フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)
- 二トラゼパム(ベンザリン、ネルボン)
- エスタゾラム(ユーロジン)
- 二メタゼパム(エリミン)
長時間型(半減期が24時間以上)
- クアゼパム(ドラール)
- フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)
- ハロキサゾラム(ソメリン)
一般的な使い方
- 超短時間型、短時間型(睡眠導入薬)
慢性的ではなく一過性に不眠を感じる人、なかなか寝付けない、寝付きが悪いと感じる人
効果が短いので、入眠時に効果があり、3~4時間ぐらいで効果が和らぐので、目覚めが良いのが特徴です。 - 中間型、長時間型
寝ても途中で目が覚めてしまう人、一度目が覚めると目がさえてしまいなかなか寝付けない人、早朝に目が覚めてしまい、寝たいのになかなか寝付けない人、ぐっすり眠れない、寝た気がしない人
短時間型で朝方に目が覚めてしまう人は、こちらに変更する場合もあります。睡眠時聞が短い人は起きてもボーっとしてしまう人もいるようです。 - 注意事項・副作用
睡眠薬は医師の指導のもと服用量、服用回数を守って飲みましょう。また、記憶が曖昧になるので、薬を飲んだらすぐに眠るようにしましょう。
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