ストレスについて考えよう
「ストレス=悪」と考える方は多いようです。しかし「やる気」を起こすためには、適度のストレスは必要です。ストレスもある程度は必要なのです。ただし、ストレスが過度にかかると心と体が押しつぶされてしまいますので、強さと頻度の調整は必要です。
ストレスによって、癌、心臓病、糖尿病、高血圧、うつ、アルツハイマー病などが引き起こされることが分かっています。ストレスを感じるとそれを取り除くために活動エネルギーを生み出すのですが、ストレスが過剰になると過剰に生産されたエネルギー心身へとダメージを与えます。人間関係、リストラ、子供の受験、ローンの支払いなど、現代では長期間継続するストレスが多いですから、ストレスとうまく付き合っていく方法を身につける必要があるのです。
ストレスエネルギーの蓄積について
ストレスには「危険を知らせる」役割と「その危険に対処する」エネルギーを生み出すという役割があります。ストレスがあるからこそ危険を回避して身を守れるのです。動物はストレス源(ストレッサー)出会うと「戦う」「息をひそめて見つからないようにする」「逃げる」の選択肢の中から命がけの選択を迫られます。正確な選択肢をするために注意力が極度に高まって、対処のためのエネルギーを爆発させる準備をするために呼吸数、心拍数、血圧、血糖値が急激に上昇します。体に備わったこの仕組みは原始の時代から変わっていません。
しかし現代人はそのころと同じ対処はしません。敵に殴りかかって戦ったり、走って逃げだすことはないのです。じっと息をひそめて待っていても危険は去っていきません。それどころか問題がより大きくなってさらに大きなストレスに見舞われることになってしまいます。現代人はストレスから生み出された過剰なエネルギーを消費する機会がないのです。そして、じっと待っていても危険は去って行かないことがほとんどなのです。そしてエネルギーが体の内部ドンドン蓄積し、それが長期間継続してしまいます。
想像力がある人間は自らストレスを増加させてしまう
人間はすぐれた記憶力や像増力を備えています。「存在しないものを作り出す」ことができ、それを記憶することができるのです。
想像力と記憶力は人間にとってとても大切で有意義に働きますが、想像力と記憶力はストレスを増加させる原因にもなっています。
例えば自分にとって危険な出来事のイメージがうかぶと、体は現在その出来事が実際に起こっているかのように反応して恐怖や不安に襲われてしまいます。人間は過去の体験を記憶し想像できるからこそ、他の動物と比べて大きなストレスにさらされて生きることになっているのです。危険を想像するだけでストレスを発生させてしまうのです。
ですから現代に生きる人たちは、ストレスについて良く理解し、ストレスというエネルギーへの対処の仕方を十分に学んで実践できるスキルを身に着けていく必要があるのです。
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