哺乳類脳とノンバーバル
ストレスを感じて唇をかんだり額をこすったり首のうしろをさすってみたり・・これらは多くの人が無意識に行う仕草です。なぜ人はそんなことをするのかという秘密が、人間の脳の一部大脳辺縁系(1.5㎏程度)に隠されています。人間の頭の中には3つの「脳」があって、それぞれが専門の機能を持っています。そしてこの3つの脳が協力しあって「指令」を出して、人の体の動きを調整しています。
- 爬虫類脳(脳幹=生命)
- 哺乳類脳(大脳辺縁系=感情)
- 人間脳(大脳新皮質=知性)
正直なノンバーバル
哺乳類脳(大脳辺縁系)はノンバーバル・メッセージに強い影響を与えています。脳の中のこの部分は、反射的かつ瞬間的に外界に反応します。
乳類脳の影響下にあるノンバーバル・メッセージは、人間脳の影響を受けずに反射的に「本当の」反応しかできないのです。
哺乳類脳は生命として生き残るために必要な反応をしていて休息しません。そして感情を生み出す中枢です。この部分から脳の各部へと信号が送り出されて各部が感情や生存に関わる行動を調整します。それらは仕草(体の動き、表情など)として表現されます。
これらの反応は嘘をつくことができる人間脳の思考を通ることなく哺乳類脳から直接出力されるのでごまかすことができないのです。哺乳類脳から始まるこの反応は種として生き残るために遺伝子に組み込まれていて、自動的に発言するため隠したり消したりできないのです。
例えば緊張や極度のストレスにさらされると心拍数が上がったり汗をかいたりしますが、それをやめることはできません。人間が考え、その考えに見合った行動をとれるのは人間脳(大脳新皮質)があるからです。そして嘘をつくことができるのは人間脳を通して行う思考/行動だけなのです。人間脳があるから大嫌いな上司にも「おはようございます」とニコニコ笑って毎朝言えるのです。
ノンバーバル・メッセージを深く正確に理解することで他者の気持ちや行動の意味を読み取り、その場に見合った言動をとりやすくなります。反対に自分の事を誤解なく正確に、より深く理解して欲しいと願う場合にもノンバーバル・メッセージを深く理解し使いこなすことが役に立ちます。
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